好きって気づけよ。




女の子たちに話しかけられているけれど、凪くんはいつもと変わらず、あまり反応していない。




「凪くんっ」




だけど私が声をかけると、凪くんは私を見て表情をふっと優しくゆるませるんだ。


きっと、幼なじみの私だからこそわかる、小さな表情の変化。



その表情を見るたびに、なんだかとっても心がほっこりする。


やっぱり凪くんは、王子さまみたいだよ。




「帰るか、心愛」


「うんっ。でも、あのね、帰る前に保健室によりたいの」


「保健室?」




廊下を歩きだしながら、凪くんが不思議そうに聞き返してくる。



 
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