好きって気づけよ。
「いいけど。どっかけがでもしたの? お前どんくさいしな」
「うっ……。凪くんひどい!」
そのとおりだから、否定はできないけどっ。
じゃなくて……
「私じゃないの。今日、私のクラスに転校生がきたんだけどね」
「ああ……なんだっけ。黒原(くろはら)だっけ?」
「お、おしいけどちがうよ! 栗原くんっていうの。……って、どうして知ってるの?」
栗原くんは今日きたばかりだし、クラスもちがうのに……。
たずねてみると、凪くんは面倒くさそうな表情を見せた。
「林から聞いた。クラスの女子もさわがしかったし。相当なイケメンらしいじゃん」
「そっか! そういえばほかのクラスの女の子も、栗原くんを見にきてたもんね。
本当に、とってもかっこいいんだよ!」
「…………」