好きって気づけよ。




私の言葉にまた振り返った凪くんは、こちらをじろりとにらんで。




「ん」




私の手をつかんでいるほうと反対側の手を、私に見せてきた。


その手にはふたつの鞄が。



……もしかして。




「私の鞄も、持ってきてくれたの?」


「見ればわかるじゃん」


「あっ、ありがとう!」




お礼を言って受け取ろうとすると、その前にひょいと鞄を届かない高さに持ち上げられた。



私は150センチで凪くんは180センチだ。

どう考えても届かない。



 
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