好きって気づけよ。




またまわりから悲鳴が聞こえた……ような気がする。


そんなことすらちゃんとわからないほど、私は混乱状態におちいった。



どっ……どう、なってるの……!?

どうして私、いま抱きしめられてるの!?




「あ、あの、まって、凪くんっ! し、心臓が……っ」


「そういうこと……不意打ちで言うなよ」


「ふえっ……!?」


「かわいすぎて、こっちの心臓がもたねぇ。俺のこと殺す気かよ、ばか」




熱を帯びたような声が、耳元でささやかれる。


それだけで、血がふっとうしてるんじゃないかってくらい、体じゅうが熱くなった。



そのあと少しだけ抱きしめる力が強くなったかと思うと、すぐに、

体が離された。



 
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