好きって気づけよ。
つーか心愛もそんなことされんなよ!!
「その栗原ってやつ、すっげー嫌い。世界でいちばん嫌い」
「な、なんで! わ、悪いところを言えば好きになるんじゃ……っ」
「んなわけあるかよ。逆効果だっつーの」
それくらいわかるだろ。
いや、わからないのが心愛なんだけど。
あわあわとあせる心愛をひそかにかわいいと思いながらも、栗原にたいしてのイラだちは増幅する。
気がつけば、もう保健室のドアの前まで来ていた。
よし殴る。
「な、凪くん。絶対、殴ったりしちゃだめだよ? そんなことしたら痛いもん!」