好きって気づけよ。




は?

なんでこいつ、心愛のこと知ってんの?



金髪のチャラい男から心愛へと視線を移動させると、心愛はおどろいたように「栗原くんっ」と声をあげた。




「ずっと帰ってこないから、心配してたんだよ。もう大丈夫なの?」


「大丈夫、大丈夫! 気失ったけど、すぐ目さめたし。さぼってただけだよ?」


「ええっ!?」




……こいつか、栗原って。




「休み時間のたびに、いろんな女の子が保健室にきて大変だったんだけど。心愛ちゃんも、もしかして俺のようす見に……」


「気安く心愛の名前呼ぶなよ」




意識せずとも、自然と威嚇するような低い声が口から飛び出した。


心愛をうしろにして、ふたりの間に入る。



 
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