好きって気づけよ。
意地悪なところもあるけれど、やっぱり凪くんはいつも優しい。
鞄も持ってきてくれたんだし。
にこにこと機嫌よく笑って、私は凪くんのとなりに並んだ。
手は離れたけれど、距離は一定のままだ。
歩幅を合わせてくれてる。
30センチも身長差があるのに、歩調が合うわけないもん。
「私ね、凪くんのそういう優しいとこ、大好きだよ!」
「……うるさい、あほ」
顔をのぞきこみながらいえば、凪くんは私から視線をそらして、冷たくあしらった。
だけど残念ながら、凪くんが照れてることだって、私にはお見通しだもん。