好きって気づけよ。
靴箱についたので、心愛の手を放した。
「実際にやってやろうか?」
振り返ってそう軽く言ってみると、心愛は「え……」と少しだけ考えるような表情を見せた。
そしてすぐに、あせったようにぶんぶんと首を振った。
さすがに心愛でも理解できたか。
唇を噛むイコール、キスすることになるって……
「噛まれたら痛いもん!」
わかってなかった。
「ああ、そうだな。噛まれたら痛いから実際にはやらないほうがいいよ」
「え、凪くん、なんでそんなに棒読み……」
「べつに。つーかお前、栗原には絶対に近づくなよ」