好きって気づけよ。




靴箱で靴をはきかえながら、強い口調で心愛に注意をうながす。



心愛があいつを好きにならないことはわかってるけど、なにをしてくるかわかんねーし。


そう考えると、心愛とちがうクラスなのがもどかしい。




「どうして? 栗原くんいい人なのに。それに、となりの席だから遠くにはいけないよ?」


「……危険なんだよ。となりの席でも極力かかわらないようにしろ。話しかけられたら逃げろ」


「凪くん、ほんとに舞香ちゃんと同じこと言ってるね」




口元に手をあてて小さく笑う心愛は、全然わかっていない。



しょうがない……。

それなら、そこまで俺と同じことを言っているその舞香という女にたのむしかないな。


心愛と栗原を絶対に近づけるなって。



 
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