好きって気づけよ。
「知らねぇけど、そうなんじゃねーの。そいつも栗原に怒ってるんなら」
「栗原くんは凪くんと舞香ちゃんみたいな人を怒らせちゃうタイプの男の子なのかなぁ」
正門を出たとき、心愛が心愛らしい見解をつぶやいた。
べつに栗原が心愛を狙っていなければ、俺にとってはどうでもいい存在だ。
お前がからんでるから、俺はあいつが嫌いなんだよ。
そんなことを言っても、どうせ心愛には理解できないんだろうけど。
わかんなくていいよ。
俺の気持ちを知るのは、まだ先でいい。
心愛にとって、俺より恋愛対象に入りうる男なんていないはずだから。
“幼なじみが好きになってはいけない相手”なんて、絶対にありえねぇ。
無知で天然でなによりも大切なこの幼なじみは、絶対にゆずらない。
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