好きって気づけよ。




ちゅ、と音をたてて頬から唇が離れる。


凪くんは優しい瞳で、私を見下ろした。



抱きしめられたまま真正面から向かい合うと、やっぱりとっても近くて、顔に熱が集中していく。




「心愛……そうやって赤くなんなよ」


「え……?」


「俺以外の男の前では」




凪くんは「帰るか」と言って、私の体を離した。


それがなごり惜しく感じたのは、凪くんの腕の中はとっても安心するからだと思う。



ただ、やっぱりドキドキや熱はすぐにはおさまってくれなくて、少し困った。



本当に、どうしちゃったんだろう、私……。




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