好きって気づけよ。
ぐいっと押されて足が動いた直後。
ばしゃっ!と水がはじけとぶ音が、すぐそばから聞こえた。
だけど……私は髪が少し濡れただけで、全身ずぶぬれになることはなかった。
全身ずぶぬれになったのは……
「っは……つめてっ」
「えっ……な、く、栗原くん!?」
そうおどろいた声をあげたのは、私ではなく先輩。
私はおどろきすぎて声も出せなかった。
先輩3人は栗原くんを見て顔を蒼白にさせて、口をぱくぱくと動かしている。
あ。
その顔、金魚みたいでかわいいです。
……じゃ、なかった!