好きって気づけよ。
でも、まちがってはいないよね。
凪くんの存在は幼なじみより下じゃないし、幼なじみより上じゃない。
「じゃあ、坂野くんのいいところ5つ言ってみてよ」
「凪くんのいいところ? うーんと……」
不思議に思いつつも、私は凪くんの顔を思い浮かべて考えてみた。
「ええと、かっこよくて、たまにかわいいところと……。頭がよくて、スポーツも万能なところ。
ヒーローみたいにいつも私のことを助けてくれるところ……」
指折り数えながらすらすらと答えていく私は、自然と笑顔になっていた。
「あと……王子さまみたいに、とーっても優しいところかなぁ」
私の答えを聞いた栗原くんは、苦笑ともとれる笑みをこぼした。