好きって気づけよ。




「俺、5つって言ったのに」


「えっ、あっ。だ、だって凪くんのいいところはたくさんあるから……」




こんな私でも愛想つかさずにそばにいてくれる、心の広いところも言えばよかった!


そんなことを考えながら、私は「なんでそんなこと聞いてきたの?」と栗原くんに聞いた。



栗原くんはそれに、なんだかはぐらかすように、小さく笑ってみせる。


だけど、さっきみたいな悲しい表情は消えていたから、私は心のすみでほっと安堵した。




「興味本位かな~」


「そっか。……って、のんきに話してる場合じゃないよ! 栗原くん、風邪ひいちゃうからっ……」


「心愛!」




保健室に行こうと言おうとしたとき、うしろのほうから凪くんの声が聞こえた。



 
< 176 / 356 >

この作品をシェア

pagetop