好きって気づけよ。




振り向くと、凪くんと舞香ちゃんが、こちらに向かってきているのが見えて。


あ、連絡してないんだった!




「なにやってんだよお前!」


「ご、ごめんね! メールしとけばよかっ……」




言い終わらないうちに、凪くんにぐっと引き寄せられた。


おどろいて凪くんを見ると、凪くんは栗原くんを強くにらんでいて。



栗原くんは「お~。みなさんおそろいで」とのんびり言って笑った。




「王子さまのくせにおそいお出ましだね。ね、心愛ちゃん」


「ふざけんなよ! てめー、心愛になにもしてねーだろうな!」


「俺はなにもしてないよ。俺はね」



 
< 177 / 356 >

この作品をシェア

pagetop