好きって気づけよ。




「数学の教科書。昨日、心愛が俺のとまちがえて持って帰ってたみたいなんだよ」




俺のかばんの中に入っていた心愛の教科書を見せると、舞香は少しおどろいた表情を見せた。




「いっしょに勉強でもしてたの?」


「テストに出たとこの解説してやってた」




そのあとに、心愛は栗原にわたすクッキーをつくったわけだ。

堂々と俺の目の前で。



しかも試食させるし。


心愛のつくるものはうまいからいいんだけど、栗原のためっていうのが……。



まあ、俺の気持ちを知らないんだから、しかたないけど。




「あんたたちって、ほんと仲良いわよね」


「俺は幼なじみとしてあいつに接してるわけじゃねぇけどな」



 
< 194 / 356 >

この作品をシェア

pagetop