好きって気づけよ。
何年、俺がお前のこと見てきたと……
「な、凪くん。はなして……?」
涙目で上目づかいに俺を見る心愛。
それに思わず放してしまいそうになるけど、俺は「やだ」と首をふった。
「かくすな。なにがあったのか言えよ」
「なにも、ないってば……」
心愛は嘘が下手だ。
視線が泳いでるし、声に自信がなさすぎて。
どうせいっしょに帰るんだし、いまはもう時間ないから……そのときに話してもらうか。
「じゃあ、帰りに話して」
「えっ……」