好きって気づけよ。
ちっ。
こんなときに、タイミング悪すぎ。
思わず心の中で舌打ちした俺は、こちらに向かってくる人物に顔をあげた。
「サト先輩……」
「もう、探したじゃない。偶然、林くんに会えてよかったわ」
なんで俺をさがしてたんですか?
そう言おうとして、はっと思いあたる。
そういえば、俺、テスト前にサト先輩にさそわれてたんだった。
面倒くさくて保留してたけど、心愛といるこのタイミングで来られるとこまる……。
ちらりと心愛をみると、心愛はサト先輩をじっと見ていた。
ちょっとだけ、おどろいたような表情で。