好きって気づけよ。
これ以上凪くんの近くにいたら、涙を止められなくなっちゃいそうだよ……。
「は……はなして!」
できるかぎり強い声で叫んで、ばっと手を振り下ろした。
凪くんの手から逃れた瞬間、安心感と大きな悲しみを覚える。
わがままなこと、考えちゃだめだ。
幼なじみにはもう、さよならしなくちゃ。
凪くんだってそのほうがいいに決まってる。
「私たち、ただの、幼なじみだもん! だからもうこれからは、私たちかかわらないようにしよう……っ!」
私は涙声で声をはりあげて、すぐにこの場から去ろうとした。
だけど凪くんはそんな私の肩をつかんで、踊り場の壁にどんと押しつけると、
息をつかせる間もなく唇を重ねてきた。