好きって気づけよ。
「や、だ……くるし、っ」
「なんで、全然わかってくんねぇんだよ! どれだけ、俺が……!」
悲痛な声でなにかを言いかけた凪くんは、つらそうな表情を見せた。
はじめて見るような顔。
どうしてそんな顔するの?
私、まちがってないよね?
離れたほうが、いいんでしょ――……?
「もう、いい……っ」
凪くんは視線をしたに向けてうつむくと、そっと私から離れた。
私はその場にすわりこんで、ただぼうぜんと凪くんを見上げる。