好きって気づけよ。




「や、だ……くるし、っ」


「なんで、全然わかってくんねぇんだよ! どれだけ、俺が……!」




悲痛な声でなにかを言いかけた凪くんは、つらそうな表情を見せた。


はじめて見るような顔。



どうしてそんな顔するの?

私、まちがってないよね?


離れたほうが、いいんでしょ――……?




「もう、いい……っ」




凪くんは視線をしたに向けてうつむくと、そっと私から離れた。


私はその場にすわりこんで、ただぼうぜんと凪くんを見上げる。



 
< 227 / 356 >

この作品をシェア

pagetop