好きって気づけよ。
それには気づかず、私は凪くんの腕を引っ張って、自分の家の玄関のドアを開けた。
「ただいまーっ」
「……おじゃまします」
ふふ、凪くんちょっと緊張してる。
家に来たの、久しぶりだもんね。
リビングに入ると、お父さんはまだ帰ってきていないみたいだった。
「まあっ。凪くん、久しぶりね!」
「お久しぶりです、おばさん」
キッチンから顔をのぞかせたお母さんが、凪くんを見て笑顔を見せた。
それに礼儀よくぺこりと頭を下げる凪くん。