好きって気づけよ。
向かいに座っているやつが、俺の肩をぽんぽんと軽くたたく。
俺はムカッとして、そいつの手を思いきり振り払った。
「うわっ! こっわいなー。なぐさめてやってんじゃん?」
「うっせーな! もとはといえばお前のせいなんだよ!!」
がばっと顔をあげた俺は、目の前のそいつをにらみつけた。
目の前でニコニコしている、栗原。
相変わらず雰囲気がチャラい。
マジで殴りたい。
血吐くまで殴ってやりたい。
「心愛ちゃん、てっきりもう帰ってると思ってたんだけどねぇ。どっかで告白でもされてたのかな?」
「……そもそもお前が今日、俺を呼び出してこなかったら、こんなことにならなかったはずなんだけど」