好きって気づけよ。




ありったけ憎しみをこめてにらんでいると、栗原は「まいったね」と頭をかいた。



1週間ほど前から、俺と心愛はべつで登下校していた。

そうしようっていうメールが、心愛からきたから。



見かねた林にゲーセンにさそわれたけど、気分がのらないからパスした。



帰るためにひとりで正門を抜けたとき、なぜか俺のアドレスを知っていた栗原から、メールがきて。



栗原が指定した、この教室に向かう途中に……


心愛とはちあわせしてしまったわけだ。



つまりこいつのせい!




「つーか、なんで俺がライバルのお前に恋愛相談してんだよ!」


「ずっと想い続けてた幼なじみに冷たくされれば、そりゃ傷つくよね~」


「だからお前のせいだっつってんじゃん!!」



 
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