好きって気づけよ。
「きみが、すぐに動かないつもりならさ」
「なに」
「……悪いけど、本気で俺、心愛ちゃんもらっちゃうから」
その言葉に、俺は目を細める。
「ふざけんな」
「ふざけてないよ。真剣。じゃあね~」
ひらひらと手をふり、教室を出ていく栗原。
冗談を言うように、顔は笑っていたけれど。
……目、真剣だった。
「だからって、どうすればいんだよ……」
ひとり残された教室で、俺はまた頭を悩ませた。
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