好きって気づけよ。
「えっ。あ……!」
い、いつでもと言われても……。
急ぎではないってことだよね。
それよりも、つき合ってほしいところを言ってほしかったけど……。
そそくさと教室を出ていく男の子に、私は首をかしげた。
栗原くんは近くの机にすわって男の子を見送ると、「は~」と息をつく。
「坂野くんと離れてから、ここぞとばかりに群がってくるね~。
心愛ちゃん。ああいうのはかまわず追い払えばいいんだよ」
「ええっ! そんなことできないよ!」
追い払ったりしたら、みんな傷ついちゃう。
っていうか、やっぱり凪くんと離れたことと、なにか関係があったのかなぁ。
……凪くんと、離れたから……。