好きって気づけよ。
そう考えたとたんに、だんだんと降下していく心。
自然と眉も下がっていく。
あの、大きなケンカから、凪くんとの距離はさらに大きく広がってしまった。
これでよかったんだ。
それはわかってるんだけど、つらいよ……。
当たり前のようにそばにいた存在だから、ぽっかりと心に穴があいた気分になる。
ずんと落ち込んだようすの私を、栗原くんがじっと見つめた。
「坂野くんと仲たがいしちゃったんでしょ、心愛ちゃん」
「う、うん……」
「まあ、このままでいいんじゃない?」
にっこりと笑顔でそう言われて、私は思わず目を見開いて栗原くんを見た。