好きって気づけよ。




そう考えたとたんに、だんだんと降下していく心。

自然と眉も下がっていく。



あの、大きなケンカから、凪くんとの距離はさらに大きく広がってしまった。



これでよかったんだ。

それはわかってるんだけど、つらいよ……。



当たり前のようにそばにいた存在だから、ぽっかりと心に穴があいた気分になる。



ずんと落ち込んだようすの私を、栗原くんがじっと見つめた。




「坂野くんと仲たがいしちゃったんでしょ、心愛ちゃん」


「う、うん……」


「まあ、このままでいいんじゃない?」




にっこりと笑顔でそう言われて、私は思わず目を見開いて栗原くんを見た。



 
< 248 / 356 >

この作品をシェア

pagetop