好きって気づけよ。




自分に言い聞かせていると、栗原くんがそんなことをたずねてきた。



迷ったけど、私はうなずいた。

栗原くんは凪くんじゃないから、嘘をつかなくてもいいと思って。




「そっか。じゃあ、俺とつき合わない?」


「へ?」




栗原くんも、ほかの男の子と同じこと言ってる……。


男の子って、人を誘うときは場所は言わない決まりなのかなぁ。




「今日は予定ないから、大丈夫だけど……どこに?」


「え? ……ああ、ごめん。言い方悪かったね。俺と心愛ちゃん、恋人にならない?」




きょとんとした栗原くんは、苦笑しつつ、言い直した。


私はそれに、「え!?」とさっきよりも大きく目を見開く。



 
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