好きって気づけよ。




レミちゃんの教えてくれたことが、ぜんぶ本当のことなら。


私――……




「ど……どうしよう……っ」




いまさらわかっちゃうなんて。

こんなタイミングで、気づいちゃうなんて。



凪くんにはもう、好きな女の子が……サト先輩が、いるのに。




「心愛? どうしたの?」


「……っ」




恋のことなんて、聞かなければよかったのかもしれない。



きっと近すぎる存在だったからこそ、自覚できなかったんだ。


いまさら自分の恋心に気づいても、もう、どうしようもないのに……。



私は、もの心がついたときから、ずっと凪くんのことが大好きだった。



そのときからきっと本当は、

――凪くんに恋してたんだ。




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