好きって気づけよ。
「心愛!!」
突然、私の名前を呼ぶ大きな声がした。
その声は、私の大好きな声で。
そしてもう、私にはかけてもらえないと思っていた声。
おどろいて振り返ったと同時に、走ってきた凪くんがあせったように私の肩をつかんだ。
「な、凪くんっ……!?」
「心愛っ、なにもされてな……」
――ぎいいいいっ……
不意に凪くんの声にかぶさった、耳が痛くなるようなさびれた音。
――がっちゃん。
そして、倉庫に差し込む光が消えるとともに、聞こえた音。