好きって気づけよ。
心愛も俺から視線をそらしてうつむくのがわかった。
さらに濃度を増す、気まずい空気。
栗原たちが来るまでずっとこのまま無言だろうかと思っていると、
心愛が意を決したように体をこちらに向けて、俺を見上げてきた。
「あ、あのねっ、私っ……」
弱々しくふるえた声。
暗い中でもわかるくらい、うるんだ目。
……なにか、怖がってる?
なにを? ……俺を?
当たり前か。
あんなに冷たく当たって、しかも無理やりキスまでしたんだから……。