好きって気づけよ。
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夕日が沈みかける時間帯。
いつもの通学路を、久しぶりに心愛とならんで歩く。
「あ、そうだ。おじさん、明日出張から帰ってくるんだよね?」
「ああ。覚えてたんだ?」
「うん。凪くんといっしょにご飯食べられるの、今日で最後だね。寂しいなぁ……」
小さくつぶやいた心愛は、少ししたあと、かあっと顔を赤くした。
自分の言った言葉に照れるとか……かわいすぎじゃん。
こんな反応されたことなんて、いままで1度もなかった。
「なあ、心愛」
「な、なにっ……?」
「倉庫の中で言いかけてたの、なんだったの?」