好きって気づけよ。




ぽーっとしていると、サト先輩がそうたずねてきた。


私の名前、知ってたんだ。



凪くんの幼なじみだとしか思われてないんだろうなと思っていたから、少しびっくりした。




「はいっ、そうです」


「私、心愛ちゃんとお話してみたかったの。少しだけ、時間あるかしら?」


「あ……えっと」




プリント、取りに行かないといけないけど……。


廊下のはしに設置されてある時計を見ると、お昼休みの時間はまだまだ残っている。




「少しなら、大丈夫です」




考えたあと、笑顔で答えると、サト先輩は「よかった」と大人っぽくほほ笑んだ。




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