好きって気づけよ。




お礼を言った凪くんにふふっと笑って、お母さんは部屋を出て行った。




「凪くん、どっちがいい?」


「俺はどっちでも。心愛の好きなほう選べよ」


「だめだよ。お客さんは凪くんなんだもん」


「じゃあ俺はどっちにするか迷うから心愛が俺の選んで」




コーラに口をつけながら凪くんがそう言うから、私は「うーん」とうなった。



たしかにどちらも選べそうにない。

ここのケーキって、なんでもすっごくおいしいもん。



凪くんにはどっちがいいだろう……。



 
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