好きって気づけよ。
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「心愛ちゃんって、凪くんとつき合ってるんでしょう?」
「えっ! ど、どうして知ってるんですか!?」
廊下を歩きながらサト先輩に問いかけられて、おどろく。
だって、昨日そういう関係になったばかりなのに……。
あ、凪くんに聞いたのかな……?
サト先輩は私を見て、肩をすくめて笑った。
「うわさは一瞬で広まるものなのよ。あなたたちならなおさらね」
「へ……?」
首をかしげたとき、サト先輩が職員室の近くの放送室で足を止めた。
「……それはそうと、私、あなたに謝らないといけないことがあるの」
胸ポケットから放送室の鍵を取り出しながら、そう話すサト先輩。