好きって気づけよ。




サト先輩は、こまった表情で私を見つめた。




「だから、彼女のあなたからも凪くんに言ってほしいの。ただの先輩からの頼みなんだから、1日だけつき合ってあげてって。
心愛ちゃんが言ってくれたら、凪くんもうなずいてくれると思うし」




サト先輩がこまってる。

私の言葉が凪くんを動かせられるかはわからないけれど、そういうことなら。



凪くんが私を想ってくれているのはうれしいけど、サト先輩も悲しそうだもん。



デートじゃないんだし。

ペットを選ぶだけなんだから、引き受けてあげてほしい……。




「わかりました! 今日、言ってみますね」


「ありがとう。お願いね」




悲しい表情を消して笑顔を見せてくれたサト先輩はやっぱり綺麗で、

女の子同士なのに、ちょっとだけどきっとした。




 ・

 ・

 *

 ・

 
< 304 / 356 >

この作品をシェア

pagetop