好きって気づけよ。
・
*
・
・
「ねえねえ、凪くん」
「ん?」
帰り道。
やっぱりどきどきするなぁと思いながら、私はとなりの凪くんに話しかけた。
手つないでるし、凪くんの声も前よりもっと優しいし……
「あ、あのね。サト先輩のことなんだけど……」
少しずつ熱を帯びる頬を気にしつつ、そう話を切り出すと、
凪くんは「サト先輩?」と少しけげんそうに私を見た。
「サト先輩といっしょに、ペットショップ行く約束してたんでしょ?」
「え? ……ああ。べつに約束してたわけじゃねぇけど」
「凪くん、私がいるからって断わってくれたみたいだけど……。私、行ってあげてほしいな」