好きって気づけよ。




おずおずと凪くんの顔を見あげる。

私を見ている凪くんは、不可解そうな表情をしていた。




「なんで?」


「だって……サト先輩すっごく、凪くんに飼う動物を選んでほしいみたいだったから」


「……へえ。心愛はそれでいいの? 彼氏がほかの女とふたりきりになるの、いやじゃねーの?」




えっ……?


凪くんに思ってもいなかったことを言われ、私は少しだけ考えた。



でも……サト先輩と凪くんは、ただの先輩後輩だって言っていたし。

デートじゃなくて、ただ飼う動物を見にいくだけだし……




「平気だよ?」




小首をかしげて答えた私に、凪くんはがくりと肩を落とした。



 
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