好きって気づけよ。




イライラしていると、へらへらしながらふたり組の女が近寄ってきた。



ちっ、またかよ。

さっきからイライラすることばっかじゃん。




「かっこいいですね!」


「よかったらいっしょに遊びませんか?」


「あー……。人、待ってるんで」




待ち合わせしてることくらい見ればわかるだろ。


そう心の中では悪態をつきながらも、笑顔を添えてやんわりと断る。




「えっ! それって彼女さんですかぁ?」




――はあ?




「いや。ちが……」



 
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