好きって気づけよ。




「お待たせ、凪くんっ」




きっぱり否定しようとしたとき、タイミングを見計らったようにサト先輩がかけよってきた。



ベージュのミニワンピにメルトンコートを身につけたサト先輩は、ふたり組を見て首をかしげる。




「あら? この人たちは?」


「わっ、すっごい美人……っ!」


「やばい! 超お似合いだよ~っ」




顔を赤くさせて、口元に手をやりながらはしゃぐふたり組。


声をおさえてるつもりなのかもしれないけど、残念ながらまる聞こえだっつーの。



全っ然うれしくねぇし!




「あ、じゃああたしたち、もう行きますね!」



 
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