好きって気づけよ。




ふたり組はしきりにこちらを気にしながらも、そそくさと離れていった。




「ねえねえ、美男美女カップルだったね!」


「うらやまし~っ」




――イラッ。


つき合ってねーし!




「お似合いですって。私たち」


「俺とお似合いなのは心愛だけです」




ふふっと笑ったサト先輩に、俺はにっこりと笑顔で事実を返した。


それでもサト先輩は余裕さをくずさず、「残念」と自分の長い髪をなでる。




「凪くんとお似合いなら、私はとってもうれしいんだけど」



 
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