好きって気づけよ。




「俺はまったく」


「つれないわね」


「かんちがいしないでくださいね。今日来たのは心愛を妬かせるためですから」




ジャケットのポケットに入ったスマホに触れて、今回誘いにのった目的を述べると、

サト先輩は少しだけ目をまるくしてみせた。


唇に人差し指をやって、興味深そうに表情を変えるサト先輩。




「へえ? あのこは妬かないんじゃない?」


「妬かせますよ。ムカつくんで」




絶対、妬かせてやるから。


……覚悟してろよ。




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