好きって気づけよ。




……心愛?


そう思ったとき、そっと顔をあげた心愛と視線がぶつかる。



なにかをたえるみたいな表情をして、心愛はカフェを飛び出して行ってしまった。




「心愛っ」




心愛……

あの反応は絶対、いまの見てたよな。



サト先輩のほうを見ると、「してやったり」と言って楽しそうに舌を見せた。




「……先輩っ、いまのわざと!」


「だって心愛ちゃんが私たちを見て悲しそうにしてるから、楽しくなったんだもの」


「先輩!」


「いいじゃない、凪くんがいまから追いかけるんだから。はやく行ってあげたら?」



 
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