好きって気づけよ。
いい先輩なのか、悪い先輩なのか。
いや、後者だと思うけど。
……でもそれを言えば、俺もいますげー悪い男だよな。
「あ、凪くん。林くんにいまからここにきてって連絡してくれない?」
「え」
「ペルシャ猫、もらい手になろうかと思うの。あとケーキ代も彼におごってもらうから」
男を惑わすような笑みを見せるサト先輩。
俺は立ち上がるとすぐに「わかりました」と告げて、カフェを出て心愛をさがしにいった。
心愛が走って行った方向を追っていると、スマホが震えて、舞香からのメールが届いた。
【嫉妬させるのはいいけど、泣かせたらゆるさないから】
「……だよな」