好きって気づけよ。




「どうしたの?」


「ほんとにおいしそうに食うなと思って」


「あ、凪くんもいる? ショートケーキもすっごくおいしいよ!」


「うん。もらう」




凪くんはそう言って、ローテーブルに片手をついた。


そして腰を少しあげると、そのまま私に顔を近づけてきて。



一瞬のことで、理解するのが遅くなったけれど。




「……へ?」




ぺろりと、

なんのためらいもなく、口の端をなめられた。



 
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