好きって気づけよ。
「よかったじゃん」
「ああ! しかも子猫の名前、リンにしようかなって言ってたんだぜ!」
「リン?」
「俺の苗字が由来だって!」
「……それは……」
絶対、遊ばれてるような……。
舞い上がっているようすの林を見ながら、苦笑がもれた。
それとどうじに、サト先輩の妖艶な、男を誘うようなほほ笑みを思い出す。
林がサト先輩のことを好きなら、俺はなにも言わないけど……。
先輩、けっこう上手(うわて)な人だし。
林がたぶらかされたりしないかどうか、ちょっと心配になった。
・
・
*
・