好きって気づけよ。




気の弱そうな男子はそう謝ると、

あせったようすで俺たちの横を通り過ぎ、走り去っていった。




「あれ……? けっきょく、なんの話だったんだろ?」


「心愛はわかんなくていいんだよ」




首をかしげる心愛に、抱きしめたままそう言えば、心愛は俺を見上げて「そっか」と笑った。



マジで小動物みてー。

かわいすぎるっつーの。




「なあ、心愛」


「どうしたの?」


「心愛にすげーキスしたい」


「……えっ?」



 
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