好きって気づけよ。




鈍感な心愛に話しているとはいえ、けっこうはずかしい。



でもまちがってない。

怖がらせようとしたわけじゃないんだよ。


心愛のことが好きじゃなかったら、あんなことしない。




「……ごめん」




また謝ると、少ししたあと、心愛がくすっと笑ったことに気づいた。




「凪くん。放して?」


「なんで?」


「凪くんの顔、見たい」




腕の拘束をといてやると、心愛は俺のほうを向いて、にこっとほほ笑んできた。



 
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