好きって気づけよ。




はずかしそうに、顔をこちらに向けない心愛の耳は真っ赤に染まっている。



けっこう勇気を出したらしい。

俺に応えようとしてくれる心愛が、すげー愛しくて。




「心愛。顔あげて?」




赤い耳に唇をよせて、そっとささやいた。


ゆっくりと顔をあげて俺を見る心愛は、やっぱり真っ赤になっている。




「……っえ、えっとね」


「ん?」


「や、優しく、してね……?」




俺はその言葉にちょっと笑って、心愛の頭に手を添えると、その唇を奪った。


言われたとおりに、とびきり優しく。



 
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