好きって気づけよ。
先輩の背後から、突然聞こえた声。
大好きな凪くんの声だって、すぐに気づいた。
凪くんは先輩ふたりににっこりと綺麗な笑顔を見せて、首をかしげた。
「その手、心愛から放してもらえます?」
「ちぇっ。見つかっちゃったか~」
先輩はおどけたようにそう言って、私からぱっと手を放す。
無意識にほっとする。
凪くんが来てくれてよかった。
凪くんはやっぱり、私のヒーローだ。
「凪怒らせるとこえーからなぁ。おい凪。その子、大事にしろよ!」
「言われなくても大事にしてます」