好きって気づけよ。
「心愛ちゃんじゃん。どうし……って、ああ。凪のこと探してんの?」
「あっ。林(はやし)くん」
話しかけてきた短い黒髪の彼は、よく凪くんといっしょにいる林くんだ。
いつも笑顔で、さわやかな男の子。
サッカー部で、とっても凪くんと気が合うらしい。
「凪ならあそこにいるよ。ほら、うしろのドアんとこ」
廊下に出てきた林くんが指さしたほうを見ると、
たしかにうしろのドアから少しだけ出ている凪くんの姿があった。
そしてそのそばには、ダークブラウンの長い髪をした女の人が。